約25坪という限られた面積に、愛犬と人が心地よく暮らすための居場所と動線を丁寧に納めた洋風の平屋です。
淡い白の外壁とブラウンの瓦屋根がつくるやさしい外観。その内側には、太い梁を現した開放的なLDK、愛犬のケージ置き場、散歩帰りに使える足洗い場、洗濯と収納を近づけた家事スペースが広がります。

外観は淡い白を基調に、軒裏や垂木まで明るい色で統一しました。そこへノルディックブラウンの瓦屋根と木目の玄関ドアを合わせ、軽やかさの中に落ち着きを添えています。
横に長く伸びる屋根と低い軒が、平屋らしい穏やかな佇まいをつくります。玄関まわりをアーチ状にくぼませたことで、シンプルな正面にやわらかな表情が生まれました。

大きな梁が重なり合う、開放的なLDK
室内の主役は、太い梁と板張りの屋根面を現したLDKです。平屋の屋根形状をそのまま室内の高さに生かし、視線が上へ抜ける伸びやかな空間にしました。
白い壁と無垢の床をベースに、ブルーグレーの壁や表情のある木の建具をアクセントに。キッチン、ダイニング、リビング、多目的スペースがゆるやかにつながり、約25坪の中に奥行きを感じられます。



愛犬の居場所を、最初からリビングの一部に
リビングの壁際には、愛犬のケージがすっきり収まる専用スペースを造り付けました。木の格子で囲み、隣の収納と高さや素材をそろえることで、後からケージを置くのではなく、室内の一部として自然になじませています。
人が集まるLDKの中に愛犬の定位置があるため、互いの気配を感じながら過ごせる計画です。壁面には電源も用意し、実際の使い方まで考えて整えました。

使う場所に合わせて整えたキッチンと造作
玄関から続くシューズクロークには、愛犬の足洗いにも使えるSKを設置しました。散歩から戻ったら、室内へ上がる前に足や道具を洗い、そのままリードや散歩用品を棚へしまえます。
水を使う場所は土間仕上げにし、両側には高さを変えられる棚を配置。玄関まわりの収納と愛犬のお手入れを一か所へまとめています。




ランドリールームには室内干し用のパイプと作業台を設け、洗濯物を扱いやすい場所を確保しました。近くには洗面と収納スペースがあり、洗う・干す・しまうまでの移動を短くまとめています。
壁面の棚は、置く物に合わせて高さを変えられる可動式。床面を空けながら日用品や衣類を整理でき、約25坪の空間を無駄なく使えます。


LDKに続く多目的スペースは、普段のくつろぎ場所から来客時の寝室まで、暮らしに合わせて使い方を変えられる一室です。引き戸を開ければLDKとひと続きに、閉じれば独立した空間になります。
室内には納戸や棚を各所に設け、日用品のストックや季節の物をまとめて収納できるようにしました。部屋を大きくするだけでなく、必要な物の定位置を先に決めることで、限られた床面積にゆとりをつくっています。
この住まいには、換気システム「Q換調」と、国産杉材を用いた構造用面材「どんとパネル」を採用しています。床下には、鈴木工匠がプロデュースする鹿陽の森でつくられた竹炭も敷設しました。
設備や素材の効果を一つだけで考えるのではなく、毎日過ごす室内環境を住まい全体で整えようとした家です。点検や手入れが必要になる設備は木製扉の内側へまとめ、確認しやすい形で納めています。

大きな梁がつくる開放感と、愛犬の居場所や家事動線まで考えた細やかさ。広さを競うのではなく、必要な場所を丁寧につなぐことで、約25坪を心地よく使い切った洋風平屋です。


