のびやかな切妻屋根と、板張り・格子を組み合わせた端正な外観。その内側には、太い梁を現しにした開放的なLDKと、畳でくつろげる居間が広がります。
木の建具や造作家具を一つずつ整え、和の落ち着きと日々の使いやすさを重ねた平屋です。

正面は白い外壁の下部に板張りを巡らせ、黒い格子の玄関戸で全体を引き締めました。大きく伸びる切妻屋根と深い軒が、平屋らしい安定感のある佇まいをつくります。
木部を軒裏や外壁へ連続させながら、色数を抑えてすっきりと。伝統的な要素を取り入れつつ、重くなりすぎない外観に仕上げています。

大きな梁の下に、暮らしが集まるLDK
室内の主役は、太い梁と小屋組を現したLDKです。天井を高く見せるだけでなく、木が家を支える姿そのものを空間の意匠として生かしました。
キッチン、ダイニング、畳の居間まで視線が通り、それぞれの場所にいながら同じ空間のつながりを感じられます。梁の力強さに、白い壁と落ち着いた青緑のアクセントを合わせ、木の表情が引き立つ室内になりました。



畳のくつろぎと、木の造作が溶け合う居間
リビングの一角は畳敷きにし、床に近い目線でゆったり過ごせる場所に。壁際には空間の幅に合わせた木のテレビボードを造り付けました。
格子戸や四角い和の照明、板張りの天井を組み合わせ、LDKの開放感の中にも落ち着ける居場所をつくっています。無垢の木、一枚板、畳という異なる素材が、やわらかな色合いで自然につながります。

使う場所に合わせて整えたキッチンと造作
対面キッチンからは、ダイニングと畳の居間まで見渡せます。作業台の背面には長い木のカウンターと棚を設け、調理家電や日用品を置きやすくしました。
ダイニングの一枚板テーブル、リビング収納、壁の小棚など、必要な場所に必要な大きさで木の造作を配置。既製品を置くだけでは生まれない、空間との一体感が魅力です。

格子の玄関戸からやわらかな光が入る玄関ホール。室内側にも板張りの天井や木の建具を続け、外から中へ入った瞬間から、この家らしい和の雰囲気が感じられます。
玄関脇には、壁面いっぱいに可動棚を設けた大容量のシューズクロークを用意。靴だけでなく、外で使う道具もまとめて収めやすい場所です。廊下と居室の間には格子戸を取り入れ、閉じても木の気配と光が途切れにくいようにしています。



個室にも板張りの天井と無垢の床を取り入れ、青緑のアクセントウォールで落ち着きを添えました。共有空間の和の趣を引き継ぎながら、静かに過ごせる表情に整えています。
洗面脱衣室は浴室と直結し、白を基調に明るく。天井の木を見せることで、水回りにも住まい全体の統一感を持たせました。



この住まいは、構造に国産無垢の杉材を用いた「どんとパネル」を採用。ZEH基準をクリアし、太陽光パネルも備えています。
大きな梁、格子戸、畳、そして造作。昔ながらの良さを形だけなぞるのではなく、現在の暮らしに合う平屋として整えた一棟です。



